本日は新聞に気になる記事がありましたのでご紹介します。10月2日付読売新聞朝刊、「遺言書PCで作成可能」とのタイトルの記事です。
内容を簡単にまとめると、本人の手書きと押印が必須の「自筆証書遺言」という遺言の形式について、デジタル機器での作成が解禁される方向との内容です。
以前の記事でも紹介しました(手書きの遺言書を作る場合の注意点①、手書きの遺言書を作る場合の注意点②が、自筆証書遺言は簡単に作成できる反面、基本的に文面全てを手書きする必要があります。ごくごくシンプルな内容にするのであれば別ですが、財産を事細かに複数の相続人やお世話になった方に遺したい場合には、遺言書に書くべき分量も必然的に多くなります。ご高齢の方が作成を検討することが多い遺言ですが、「書くこと」がためらいの原因になることもあります。デジタル機器での作成が認められるようになれば、自筆証書遺言の作成のハードルはより一層下がるのではないかと思います。
一方で、法律上全文手書きや押印が求められている理由は、遺言書作成者本人の意思で作成された遺言書であることを示すためです。デジタル機器が具体的にどのようなものを指し、実際の作成方法がどのようになるのかはこれから議論されることになりますが、遺言書作成実務においてとても大きな変化になると思いますので、今後の動向に注目していきたいと思います。
本日は以上です。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
司法書士 藤原亮介