こんにちは、司法書士の藤原です。いつの間にか、秋から冬へと向かいつつありますね。朝晩は本当に寒くなりました。いつも息子を保育所へ送り迎えする時は自転車を使っていますが、なにぶん朝早くと夕方に行くため、そろそろ手袋が必要になりそうです。
さて、本日は、在日韓国朝鮮人の方の不動産登記について、お話します。
通常、在日韓国朝鮮人の方は「本国名(韓国朝鮮名)」と「通称名(日本での名前)」の2つを持っていることが多いです。そして現在では、定住外国人の方も住民票が発行されますので、そこに本国名と通称名が併記されることが一般的です。
不動産を取得した場合には、その住所と氏名(法人の場合は、本店と商号)を登記することになります。では、在日韓国朝鮮人の方が不動産を取得した場合には、本国名と通称名のどちらを使用すればよいのでしょうか。
結論からいうと、本国名でも通称名でも、どちらでも登記することは可能です。登記の際に自由に選択することが可能なのです。また、一度選択するとずっとどちらか一方を使用しなければならない訳でもありません。したがって、A土地は本国名で登記、B建物は通称名で登記、という風に別々に登記をすることができるのです。
また、本国名で登記している不動産について、氏名を通称名に変える登記をすることも可能です。
では、不動産を売却などして所有権移転するケース。上記の例でいくと、A土地は本国名で登記、B建物は通称名で登記されている場合に、一括してA土地とB建物の所有権移転登記をすることが可能なのでしょうか。
私が調べた限りでは、根拠が不明確ですが、「添付する印鑑証明書に本国名と通称名の記載があって、同一人であると確認できるときは、『前提としての氏名の変更・更正登記は不要』である。」と記載のある文献がありました。この一文は氏名の変更・更正登記についての記載ですが、印鑑証明書を見れば、本国名と通称名が併記され、同一人であることが明確になりますので、私見ですが、A土地とB建物の一括での所有権移転登記は可能ではないかと考えます。
なんでこんな細かい論点について書いたかというと、今まさに私がこのような案件を扱っているからなのですが、登記の可否と登記申請書の記載について現在管轄法務局との協議中ですので、回答が出れば、またこのブログでご報告させていただきます。
本日はここまでです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
司法書士 藤原亮介