相続手続きに便利な法定相続情報一覧図

こんにちは、西宮市の司法書士の藤原です。今年はあっという間に梅雨明けしてしまいました。いわゆる空梅雨というものですが、梅雨明け以降に雨が強かったりしてよく分からない天気が続いていますね。今度は熱中症が気になる季節に入りました。マスクは必須ではありますが、外せるところでは外して、適切に対応していきたいと思います。

さて、本日は法定相続情報一覧図についてお話いたします。平成30年4月1日より制度がスタートした法定相続情報一覧図。A41枚程度の書面が大量の戸籍の代わりとなり、大変便利な制度です。当事務所でも、相続登記以外に相続手続きが必要なお客様に対しては、この法定相続情報一覧図を作成するケースが多いです。最近では司法書士以外の他士業の先生方も取得していらっしゃるケースが増えており、徐々に知名度も上がってきているような印象です。使える範囲も拡大してきており、相続登記や金融機関の預貯金解約はもとより、少し前には年金の相続手続きについても利用が可能となっております。

この制度の一番の利点は、何枚でも発行が可能であること。相続の場面においては、法務局や金融機関など複数の窓口へ相続手続きを行うことが珍しくありません。中には戸籍の原本の提出が必要であり、提出したら原本が返ってこない手続きもあります。このような場合に戸籍が手元に1通ずつしかなければ、再度役所にて戸籍を発行してもらう必要があり、本籍地が住所地から遠いケースでは非常に面倒になることがあります。しかし法定相続情報一覧図は一度に何枚でも発行できるため、原本出し切りの手続きであっても安心です。

さて、こんな便利な法定相続情報一覧図ですが、一覧図作成後に、一部の相続人の住所が変わってしまった場合の手続きはどうなるのでしょうか。

実は法定相続情報一覧図には、作成後の「修正」「訂正」といった手続きはなく、内容を変えたい場合には、「再作成(=イチから作り直す)」必要があるのです。作り直す場合に、従前の戸籍類を再度提出するのか、住所が変わった相続人の住民票のみでよいのか、については管轄法務局にご確認ください。また提出先の機関によっては、変更前の法定相続情報一覧図と変更後の住民票等を提出することで手続きを受理可能な場合もありますので、事前にご確認いただくとよいかと思います。

時として相続手続きには時間がかかることもあり、お亡くなりになってから全ての手続きが終了するまでに数年かかるケースも珍しくありません。法定相続情報一覧図を作成した後に変更事項が生じた方は、上記の記事をご参考になさってください。

本日はここまでです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

司法書士 藤原亮介