こんにちは、西宮市の司法書士の藤原です。5月も最終日となりました。湿度が高く、もうすぐ梅雨入りでは?と巷では言われているそうです。5月は例年、清々しい日が多く、また新緑が心地よく好きな季節でしたが、6月からはムシムシとした季節になっていくのかと思うと少し憂鬱でもあります。
さて、5月30日の読売新聞朝刊社会面に気になる記事がありました。「公証人面談怠り定款認証」との見出しの記事です。定款認証とは、会社等を設立する際に、その会社の定款(=会社のルールブック)について、公証人に内容を確認してもらい、認証してもらう(=お墨付きをもらう)手続きのことです。一部合同会社など設立時に定款認証が不要の法人もありますが、株式会社などでは定款認証は必須であり、定款認証が済んでいないと設立登記を申請することが出来ません。定款認証は定款等の資料を事前に公証役場へメール等で送って公証人に確認してもらい、事前予約をして公証役場へ行く必要がありますので、会社設立業務においては、この定款認証を行うタイミングが重要なポイントになることが多いです。
定款認証の際には、発起人(=最初の株主となる人)や、発起人の代理人である我々司法書士が公証役場に赴き、公証人と面談の上、認証手続きをするのですが、記事によると、一部の公証役場において公証人が面談を行わず定款認証を行っているケースがあったとのことです。
記事の中で特に印象に残ったのが、経済界からはそもそも定款認証での面談は不要ではないか、との意見が強い一方で、公証役場を所管する法務省としては会社設立の不正抑止の観点から面談は必須としている点です。
公証役場は各都道府県に数カ所しかなく、地方では公証役場に赴くだけでも負担になることが少なくありません。また最近ではテレビ電話を利用した定款認証も認められておりますが、これは書類を事前に郵送することが必要であるため、時間に余裕の無い中で設立登記を申請したい場合には、事実上、直接公証役場に行くしか方法がないことも多いです。しかし実際に新しく設立された会社が不正目的で利用されるケースもあるようで、今後、公証人の面談が「不要」となるのか、現状通り「必要」のままとなるのか、今後の動向に注目しているところです。
本日は以上です。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
司法書士 藤原亮介