公正証書遺言の検索

遺言書を遺す場合、せっかく書いても自分の死後にちゃんと相続人に遺言書を見つけてもらえるのか、というご心配があるかもしれません。実際に、とある葬儀関係の方から聞いた話ですが、相続人間で遺産分割協議が整い、相続手続きが完了した後で仏壇を整理していたら遺言書が見つかった、ということもあるようです。またご相続人の方にとっても、遺言があるのであればその内容を確認したいと思われるでしょう。

遺言書の形式には大きく分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2種類があります。このうち自筆証書遺言とはご自身が直筆で遺言書を書く形式のものですが、これについては、保管場所等について事前に伝えておかないと、遺言書が相続人に発見されない可能性はあります。しかし、公証役場で作成する公正証書遺言の場合には、遺言書の原本が公証役場に保管されておりますので、万が一遺言書(通常は正本又は謄本を所持してます)が見つからない場合であっても、公証役場で遺言書の有無を検索することが可能です。

検索したい場合には、公証役場に行き、公証人に遺言を探したい旨伝えます。遺言検索の必要書類としては、①遺言者の死亡戸籍、②相続人の戸籍(遺言者との相続関係が分かるもの)、③検索する人の身分証、④(検索を委任する場合)委任状、⑤委任状に押印した実印の印鑑証明書 が必要となります。通常、検索はその場ですぐに回答を得ることができ、また今はメールなどオンラインで公証役場に確認できる場合もあります。

また、全国の公証役場はオンラインで繋がっているため、例えば北海道の公証役場が管轄の遺言書の有無を沖縄の公証役場で検索することも可能です。ただし、この検索システムは平成元年(昭和64年)から稼働しているため、昭和63年以前に作成した遺言については、作成した公証役場でのみ検索が可能となるため注意が必要です。

せっかく書いた遺言が発見されずじまいになってしまうのは残念ですよね。またご相続人の方にとっても、被相続人の遺言を見つけられないのも心苦しいことかと思います。司法書士藤原事務所では公正証書遺言の検索のお手伝いを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

本日はここまでです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

司法書士 藤原亮介