相続地の国有化負担金について

こんにちは、西宮市の司法書士の藤原です。まだ日中は暑い日もありますが、過ごしやすい秋の訪れを感じます。これからは徐々に気温も下がっていくかと思いますが、こういった季節の変わり目は体調を崩しやすいので、皆様お気を付けください。

さて、9月27日付の読売新聞朝刊に気になる記事がございましたので紹介したいと思います。「相続地の国有化 負担金20万円決定」との見出しの記事です。内容としましては、相続により不要な土地を手放す制度について、雑種地や原野についての負担金を20万円とすることを閣議決定したとのことです。こちらは「相続土地国庫帰属法」に基づく制度になります。

相続土地国庫帰属法とは・・・ごく簡単にいうと、相続で承継した土地のうち一定の要件を満たす土地については、法務大臣が承認した場合には負担金を支払うことでその土地を国に引き取ってもらうことができる制度です。その負担金について、20万円とする旨が閣議で決定したとのことです(一部の地目の土地を除く)。尚、「一定の要件」には種々ありますが、例えば「建物の建っていない土地」や「担保権等が設定されている土地」などがあります。要するに、国にとって管理が難しい土地については引き取ることができないとのことですね。また、あくまで相続により取得した土地が対象であるため、売買により取得した土地や、建物自体も対象ではありません。さらに、この制度は相続人が申請をして、国が調査を行い、その結果承認となれば国庫に帰属させるものです。したがって、一定の要件を満たしているからといっても、必ずしも承認されるわけではない点に注意が必要です。

とは言いましても、相続をしたはいいものの、遠方で管理が出来ない土地であったり、近隣に迷惑をかける可能性がある土地であるケースは往々にしてあります。この制度がそういった「負動産」の解消に一躍買ってくれるのか、今後の動向が気になる事案です。新しい情報が入りましたらこのブログでも紹介させていただこうと思っております。尚、本制度は令和5年4月27日からスタートする予定です。

本日はここまでです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

司法書士 藤原亮介